こんにちは、にんじんです。
この記事に行き着いたあなたは、次のような状況でお悩みではないでしょうか。
修士・博士卒で民間企業に就職したけれど、希望した部署に配属されなかった。
研究が好きだから、社会人になっても続けたかったけれど、ダメだった。
正直このまま続ける気力が湧かない。仕事辞めて大学に戻りたい。
その気持ち、すごくよくわかります。
私自身
- 理系修士卒
- 就活中から研究職が第1希望、他の希望なし
- 配属部署も配属地すらも希望叶わず・・・
という経験をしており、色々と考えたことがあります。
時に同士を求めてネット記事を徘徊し、仕事を辞めた方の体験談を読んでは自分の将来について延々と悩みました。
転職サイトにも登録し、エージェントと面談もしました。いくつか書類応募もしました。
(・・・結果的には、仕事を辞めることはなく、どうにか続いている状態です)
そんな私から、今まさに悩んでいるあなたに、少しでもアドバイスできればと思い
この記事を書くことにしました。
前もってお断りしておきますが、誰にも正解なんてわかりません。
なので、どうすればよいのかを明確に指し示すことはできませんし、しません。
ただ、私が悩む中で考えたこと、得た経験を紹介することで、誰かの心を少しでも軽くすることができたら十二分だと思っています。
この記事を、配属先に絶望しているすべての同士に捧げます。
甘えているからと自分を責めない
希望部署に配属されなかった。どうすればいいかわからない。
そんな悩みに対するよくある意見といえば、こんな感じ。
「何でも自分の希望が叶うと思うな」
「いつまでも学生気分でいるんじゃない。与えられた仕事を一生懸命やってから言え」
「嫌なら辞めて好きにしろ」
「そんなものは甘えだ、わがままだ」
・・・まあ、正論ではありますよね。
会社に雇用されて給料をもらっている以上、与えられた職務を果たして成果を出すべきである。その通りです。
だからといって辞める決断も容易くないし、うまくいく保証もない。
そもそも生活もあるし・・・。
けど毎日辛くて苦しい。どうすればいいのだろう。
私もそうでしたが、思考は堂々巡り。結局行き着くのは
「自分が甘えた考えを持っていて、うまく折り合いをつけられないのがいけないのだ」
「辞める度胸もないくせに、仕事もできない社会人失格なんだ」
と。
・・・ちょっと待ってください。
人から見れば甘えだとしても、だからといって自分を責めるのは止めましょう。
他人がどう折り合いをつけていようが、あなたには関係ありません。
社会人として経験を積むうちにようやく自分の中で納得のいく理由を見つけていくはずのものを、就職したばかりで理解するほうが無理だと思います。
嫌なものは嫌だし、つらいものはつらい。
この気持ちがどれほどのものかは、自分にしかわかりません。
まずは、今の自分の気持ちを落ち着いて俯瞰してみましょう。
希望の部署に配属されなくて辛い。
それは、どれくらい辛いのでしょうか。
今すぐ辞めたいくらい?多少は我慢ができるくらい?
そもそも嫌な理由って何だろう。
希望が叶わなかったこと?自分が必要とされていないと感じること?やりたいことができないこと?
整理することで、今後とるべき行動が少しずつ明確になるかもしれません。
ゆっくり考えていいんです。迷っていいんです。
自分の人生は、自分で決めていいんです。
自分の幸せは、自分で決めていいんです。
本当に研究者になりたいか?
「どれだけ考えても、やっぱり研究職以外は嫌だ!」
「研究職につけないなら、こんな会社辞めてやる!」
もちろんそれも一つの選択です。
ですがその前に、ひとつだけ考えるべきことがあります。
本当に企業で研究者として働きたいですか?
研究職を志望した理由は何だったか、思い出してみてください。
大学の研究が好きで、これからも研究を続けていきたいから。
社会を変えるような発明をしたいから。
実験が好きだから。
人と関わるのが苦手だから。
研究職はホワイトだから。
色々あることでしょう。
私は研究職につけませんでしたが、同期は何人も研究所に配属されましたし、研究者と一緒に仕事をする機会もありました。
その中で見えてきたものは、学生の頃に思い描いていたものとは少し違う研究者の姿でした。
大学では自分の興味のある分野を選んで研究に取り組んできたかもしれませんが、企業では自分の好きなテーマが研究できるとは限りません。
論文や特許のノルマがあり、日々プレッシャーの中で結果を追い求めなくてはいけないかもしれません。
周りが優秀な人ばかりで、劣等感を感じるかもしれません。そうして心を病んで、辞めていく人もいるそうです。
自分の手で実験をしたいのに、人にお願いして実験してもらうことしかできないかもしれません。
異動があり、研究職ではなくなることもありえます。もちろんその逆もありえます。
それでも尚、どうしても研究職を希望しますか?
研究職に就く方法
どれだけ考えても、やはり研究職に就きたい場合の対策をお伝えします。
①大学に戻る
一つ目の方法は、大学に戻ることです。
大学の研究が好きで、どうしてもその分野の研究がしたいならこの方法が一番です。
自分が所属していた研究室に戻りたい場合は、まずは教授に問い合わせてみることからはじめましょう。
ここで考えておくべきことは、経済面です。
博士課程後期に進学するなら学費が。研究員になるにしても、生活費などがかかります。
さらに将来、研究者として生きていけるか、就職先はあるか、などのお金の問題が付いて回るかもしれません。
高学歴ワープア問題が取りざたされる昨今、後悔しないために慎重に検討しておくほうがベターでしょう。
②上司に相談する
今の会社内で研究職を目指す場合、まずは上司に相談すべきです。
もちろん、すぐに異動することはほぼ不可能です。
ここでは
・研究職に異動することが可能かどうか
・過去に研究職に異動した例があるかどうか
を確認します。
部署異動の可能性があるなら、そのために努力をする意味があります。
しかし、異動が不可能ならば頑張っても意味がありません。
多くの人の動きを見てきた上司や先輩なら、どれくらいの可能性があるかを教えてくれるはずです。
また、自分が研究者になりたいということをアピールする、という点でも有意義です。
どれだけ内心で悩んでいても、言葉にしなければ伝わりません。
研究職に異動したいなら、それを積極的に周りに発信していくべきです。
③転職する
いますぐに研究職に就きたい。でもお金がないので仕事は続けないといけない。
その場合は、転職を目指すことになるでしょう。
ここで問題となるのは、研究者の採用枠は非常に少ない、という点です。
転職サイトを眺めているだけでは、思うような求人に巡り合うことすらも困難です。
私が実際に転職活動をした経験上、おすすめできる方法があります。
それは、転職エージェントの利用、です。
エージェントを利用するメリットのひとつに、転職サイトでは検索しても出てこない非公開求人があります。
私が研究職を希望している旨を伝えたとき、大手企業の研究職の求人を紹介されました。
結構ニッチな分野にもかかわらず、マッチした求人が存在することに驚いたものです。
研究職のように、専門性が高く採用枠が少ないような求人は表になかなか出てこないため、漠然と探すのはおすすめできません。
大手転職サイトにしても、エージェントとの面談をした方がいいです。
もしくは、研究職専門の転職サイトの利用もおすすめ。
例えばアカリクは、専門性の高い人材・職種に特化した転職サイトで、研究職などの求人が豊富です。
無料で利用できるので、まずは転職するべきかどうか、あるいは求めている職があるかどうか、相談してみるのもいいと思います。
私がエージェントとの面談で一番心に残っている言葉があります。
「転職するにせよしないにせよ、転職活動はしてみてもいい。他の企業の様子は転職活動をしないとわからないし、他社を知ることで今の会社の良い点や悪い点が見えてくることもある」
現状に対する不満を抱えていると、視野が狭くなってしまいます。
外に目を向けることで、現状を客観的にとらえることができるようになるかもしれません。
私は今のところ(まだ)転職はしていませんが、転職活動そのものは勉強になりましたし、やってみてよかったと思います。
ひとつの経験としては面白いですよ。
まとめ
以上、色々と書いてきましたが、結局どうすべきかは自分で決めるしかありません。
忘れないでほしいのは、自分を責めないことだけです。
悩みすぎて心に傷を負うくらいなら、開き直って適当に過ごせばいいんです。
あなたがよりよい選択ができることを祈っています。