こんにちは、にんじんです。
この記事にたどり着いたあなたは、ひょっとして理系の大学院生で就活中あるいは就職した院卒ではないでしょうか。
就活って大変ですよね。
一部の優秀な学生は、インターンで成果を出していたり、面接や飲み会もさらっとこなしたりと、あまり苦労をしないのかもしれませんが
私のような凡人コミュ障は非常に苦労しました。
慣れないスーツを着て、無理やり自己アピールを考えて、積極性と情熱を偽って明るく面接に臨んで・・・
自己洗脳をしながら就活をした記憶があります。
それでも、理系院卒の就活は楽な場合が多いと思います。それは推薦という仕組みがあるからです。
文系大卒の同期の話を聞いていると、5回も10回も面接したり、圧迫されたりと
という感想しか浮かびません(笑)
そんな理系院卒の強い味方である推薦、うまく使えばこれほど役に立つものもありませんが、注意すべきこともあります。
ここでは、国立大理系院卒(修士)の筆者が推薦を利用して就職した経験に基づいて、理系院卒が就活で推薦を使う場合のメリットとデメリットを紹介します。
研究室や学科の推薦を利用すべきか、それとも自由応募で就活すべきかをお悩みの方の参考になれば幸いです。
推薦の仕組み
そもそも推薦とはどういう仕組みかを簡単に説明しておきます。
ただし大学や企業によって扱いが異なるため、あくまでも私の経験に基づいたものとご認識ください。
推薦とは、大学が企業に対して優秀な学生を紹介する仕組みです。
大学側は「うちの〇〇はこんなに優秀ですよ、御社で活躍できると思いますよ」
企業側は「××大の△△研究室の学生さんは優秀だから、ぜひうちに来てほしいです」
という感じでマッチングするシステムです。※私は人事ではないので、イメージです。
基本的には、就職活動を有利に進めることができるアイテムで、理系が就職に強いといわれる所以でもあります。
推薦の扱いは様々で
- 推薦を取得しないとそもそも面接に進めない会社
- 推薦を貰うと面接がいくつか省略される会社
- 最終面接に合格した時点で推薦が必要になる会社
- 推薦を貰っても特に有利にはならない会社
など、まちまちです。詳細は就職担当の先生か人事担当者に確かめたうえで、推薦の要否を判断しましょう。
就職に強い/弱い研究室・分野というのは、推薦の効力が異なることも考えられます。
「推薦の枠が多い」「推薦を重視する企業に就職する人が多い」「推薦を利用しても受からない」など
自分の所属する組織や志望する業界、企業がどのような感じかは把握しておいた方がいいです。先輩に話を聞いておきましょう。
余談ですが・・・
研究室と企業の繋がり、あるいは教授個人の力など、様々な大人の事情が絡み合うこともあります。
推薦を出しただけで最終面接が行われ、すぐ入社が決まるなんてこともあるかも。
あとは推薦で落ちると面倒なことになったりする可能性も。
「優秀な学生を送り出したのに、面接で落とすとは何事か?説明せよ」
と教授から人事にクレームがいくなんてことも、あるとかないとか…
推薦で就活するメリット
それでは、推薦を利用するとどのようなメリットがあるかを紹介していきましょう。
研究分野と関連のある業界に就職しやすい
大学の研究が好きならば、これは一番大きいメリットになると思います。
そもそも推薦枠があるような企業は
・研究分野と業務の関連が強い
・卒業生が活躍している
ところがメインです。
理系院卒は技術者や研究者として働くことが多く、大学で関連分野を学んでいる方が有利になりやすいのです。
企業側から見ても、採用実績がある大学や研究室の学生であれば、レベルやバックグラウンドがある程度明確であり、活躍する場を用意できるかもわかります。
卒業生や担当教官の御力を借りられる
身も蓋もない言い方をすると、楽をしたいなら使った方がいいよ、という話です。
過去に何人もの卒業生が就職しているような企業であれば、研究室や教授と企業のつながりが強く、推薦が大きな力を持つ場合があります。
あるいは、企業で活躍しているOBOGが採用に関わっている可能性もあります。
大手企業などでは、リクルーターと呼ばれる制度があることも。
同じ大学あるいは研究室出身の先輩が、面接練習や見学対応をしてくれることもあります。さらに採用担当者と直でやり取りをしてもらうこともでき、有利に働くかもしれません。
有名企業が多い
分野にもよるかもしれませんが、採用人数の多い大手企業ほど、大学に多くの推薦を出します。
大企業ともなれば、エントリー数も膨大で通常の選考だけではとても不可能です。
そこで、前述のリクルーターや大学への推薦枠、あるいは学歴フィルターのようなものを用意して、効率的に採用活動を進めるのです。
少なくとも、自由応募から入るよりは選考を有利に進められる可能性が高くなります。
安定を求めて大企業に行きたい学生は利用して損はしないでしょう。
推薦で就活するデメリット
さて、ここまで推薦の利点を挙げてきましたが、推薦だってもちろん万能ではありません。
デメリットについても理解したうえで正しく活用しましょう。
基本的に辞退することができない
推薦は大学と企業の信頼関係で成り立っています。
つまり、推薦で内定をもらったにも関わらず辞退するということは、この信頼関係を蔑ろにする行為です。
自分ひとりの責任では済まず、多くの人に迷惑をかけることになります。
一緒に受けた同じ大学の学生が全員落ちる、推薦枠がなくなる、後輩も二度と採用されない、といった事態にもなりかねません。
推薦を利用したら、原則辞退することは許されません。
無理やり辞退できなくはないのでしょうが、卒業できなくなって中退するくらいの覚悟が必要です。卒業研究の単位が貰えなくなる可能性は十分に考えられます。
または面接で醜態を晒すなどして敢えて落ちることは可能かもしれませんが、そんなことをしなくてもいいように考えて就活するようにしましょう。
受けられる数が決まっている
あっちこっちの企業に推薦を出すことはできません。
落ちた場合に別の企業の推薦を貰えるかどうかは確認しておきましょう。
企業によっては、はじめは自由応募と同じルートで面接が進み、内々定が出る時点で推薦に切り替える、などのパターンもあります。
複数の企業を同時並行で進める場合、内々定の出る順番や推薦の必要性なども考慮しておかなくてはいけません。
推薦を貰えない可能性もある
就職担当の先生との関係が悪かったりすると、推薦を貰えないこともあり得るかもしれません。
今のご時世、そんなことは中々起きないとは思いますが・・・
推薦がもらえないと内々定が出ない企業もあります。
つまり、最終面接に合格したにも関わらず、推薦書を発行して貰えないがために就職できない、なんていうトラブルになる可能性も。
研究にはそれなりに真面目に取り組んでおくことをおすすめします。
就活で楽をするとミスマッチの可能性が高くなる
はい。こちらは私の失敗談になります。
推薦で受かりやすいからといって、安易に就職先を決めてしまうのはおすすめしません。
推薦や研究室の力を使えば、就職そのものは難しくないかもしれません。
しかし、本当にそれで大丈夫でしょうか?
- 勤務地や配属先の希望は叶うのか
- 社風と性格は合うか
- やりたい仕事は本当にできるか
- 残業や休日出勤はあるか、自分は耐えられるか
入社してみないとわからないことも多いかもしれませんが、推薦といえど事前によく検討しておくべきです。
特に理系修士の場合、気にしてほしいのは配属についてです。
「院卒だし、研究職でしょ」
と思っているそこのあなた。現実は甘くありませんよ。
私自身、配属面談では研究志望と言い続けましたし、人事からも「君は研究かなー」みたいな話を聞いていたにも関わらず、研究には行けませんでした。
そんな場合でも、受け入れて働き続けられる会社ですか?
就活で苦労せずに推薦で安易に入社してしまったばかりに、モチベーションを保てなくなる可能性があるので要注意。
まとめ
理系の推薦はうまく使えばとても強力な武器になりますが、使い方を誤ると大変なことにもなる諸刃の剣です。
推薦利用に関わらず、自分自身と向き合って、真剣に悩んで就職活動しておくことをおすすめします。
理系の大学院生だと、就職活動が不安な人も多いと思います。
「研究も忙しいし、インターンにも行ってない・・・」「コミュニケーションが苦手だから面接が心配」「自己分析とか、エントリーシートとか、何をしたらいいのかよく分からない」
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