「皮膚が赤くなってはがれてくる！？」「頭皮にぽろぽろとしたフケのようなものがたくさんできるんだけど…」そんな悩みを持つ人が増えているようです。
実は私も、10年以上にわたってこの悩みとともに生活しています。頭皮がぼろぼろとはがれて落ちてくるため、黒っぽい服を着ているときはいつも方や首回りが気になって仕方がありませんでした。特に学生服では苦労しました。
私ははじめ「脂漏性皮膚炎」という診断を受けましたが、後になって「尋常性乾癬」という診断に変わりました。この二つ、どうやら似たような症状が現れる皮膚の病気のようですが、どのような違いがあるのかをまとめて比較してみます。
尋常性乾癬とは
尋常性乾癬とは、皮膚が赤く盛り上がり、その表面にかさぶたのようなものができて次第にぽろぽろとはがれてくる皮膚の病気です。
炎症をともない、皮膚が角質化を起こす代表的な病気で、日本人の約50人に一人が罹患しているともいわれています。主に中年男性や若い女性が発症しやすい特徴があります。
原因
乾癬の原因ははっきりとはわかっていません。ウイルスや細菌といった外的要因によるものではないので、他の人に感染することはありません。（乾癬は感染しません）
遺伝的な要因に加えて、不規則な生活リズムや食生活、ストレスやアレルギーなどの影響で発症すると考えられています。
症状
皮膚が赤みをおび、皮がめくれるようになります。自分でも驚くほど大きい皮膚が取れることもあります。痛みはほとんどなく、かゆみがある場合があります。異常がある部位と正常な部位がはっきりと分かれています。
乾癬自体は体のどこにでも発症しますが、特に刺激を受けやすい場所に発症しやすい傾向にあります。私の場合は頭皮(生え際や耳回り)と背中の一部ですが、他にも肘や膝にも出やすいようです。
治療方法
主に塗り薬(ステロイド)による治療となります。私の場合、レオファーマから発売されている「ドボベット」を使用しています。
乾癬は難治性のため、症状が軽くなったり悪化したりを繰り返すことが多くあります。そのため、症状が治まったからといって治療を中断したりすることはよくありません。また、生活習慣などが原因の可能性もあることから、健康に配慮した環境づくりや食生活を心がけることも重要です。
脂漏性皮膚炎とは
脂漏性皮膚炎とは、皮脂の分泌が多い場所を中心に発生する皮膚炎です。特にあぶらの多い頭皮や鼻周辺などに発症することがあります。
特に乳幼児や思春期以降の男性に多くみられます。
原因
脂漏性皮膚炎の原因は、マラセチアという真菌(カビの一種)です。
「えっ、皮膚にカビがいるの！？」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、マラセチアは特にめずらしいものではなく、人間以外にも犬や猫などにも普通に存在する常在菌です。そもそも人間は菌と共生して生きていますよね。
マラセチアはふだん皮脂を栄養にしているわけですが、何らかの原因で異常増殖し悪さをしはじめると炎症を起こしてしまうわけです。何らかの原因については乾癬同様にいろいろありますので、本当の意味での原因はわかっていないとも言えます。
症状
皮膚が赤くなり、荒れてかさついたり、かゆみをともなって皮膚が剥がれ落ちたりします。頭皮に発症してしまうと、白くて細かい皮膚がたくさん落ちてしまうのでフケがたくさん出てつらい思いをすることになってしまいます。。。
主に皮脂の多い場所で発症し、頭皮や耳鼻周辺といった顔回りや、脇、胸、背中など広くあらわれることがあります。
治療方法
主に塗り薬(抗真菌薬)での治療となります。そのほか、皮膚の潤いのためにローションやビタミンを合わせて処方されました。
頭皮の脂漏性皮膚炎の場合、抗真菌作用をもつシャンプーを使うことも効果的です。私も特別なシャンプーを使用していました。有名どころでいえば「コラージュフルフル」でしょうか。ほかにも、真菌に効果があるシャンプーを輸入して使ったりしたことおありますので、機会があれば紹介していきたいと思います。
また、真菌のみでなく皮脂の分泌を抑えることも重要です。日常生活で脂の摂取を控えるようにします。また、チョコレートやコーヒーなどの刺激物を摂り過ぎることもよくないと言われました(といっても大好きなのでやめることは難しかったですが、減らすように努力はしました)。
まとめ 尋常性乾癬と脂漏性皮膚炎を比較
- どちらも難治性で、似た症状(皮膚の赤み、かゆみ、はがれおちる)
- ストレスや生活習慣がきっかけとなりうる
- 脂漏性皮膚炎ではマラセチアの異常がみられるため、抗真菌薬が効果的
一度発症してしまうと治りにくく、見た目の影響が大きいため非常にやっかいな皮膚病ですが、長い時間をかけてゆっくりと治療していくことが大切です。
同じ思いを抱えている方は一緒に頑張りましょう。
