白色ノイズ
白色雑音、ホワイトノイズとも呼ばれる。
白色ノイズは周波数によらず振幅が等しいノイズのことであり、自己相関係数\(C(t)\)がデルタ関数で表される。
\(D\)はノイズの強さを表す量であり、\(C(t)\)は\(g(t)=\xi(t)\)として定義(参照)から計算することができる。
この自己相関係数は、白色ノイズの相関は一瞬しか持続しない、すなわち瞬間ごとにランダムな値がノイズの観測値として現れるということを意味している。
白色ノイズのパワースペクトルをウィーナー=ヒンチンの定理に基づいて計算すると、
$$P(f)=\int_{-\infty}^{\infty}C(t)e^{-2\pi ift}dt=\int_{-\infty}^{\infty}D\delta(t)e^{-2\pi ift}dt=D$$
となり、周波数fに依存しないことが確認できる。
ブラウン運動(オルンシュタイン=ウーレンベック過程)
オルンシュタイン=ウーレンベック過程(OU過程)は、ガウス白色ノイズ(ノイズのとる値がガウス分布である)を含む微分方程式によって定義される。
$$\frac{dv}{dt}=-av+\xi(t)$$
上式はランジュバン方程式(ブラウン運動を記述する確率微分方程式)とも呼ばれる。OU過程の自己相関係数は次の形に従うことが知られている。
$$C(t)=\frac{D}{2a}e^{-a|t|}$$
ただし、\(D\)はガウス白色ノイズ\(\xi(t)\)の強さである。この\(C(t)\)は、OU過程の相関が指数関数的に減衰することを表している。OU過程のパワースペクトルは、
$$P(f)=\int_{-\infty}^{\infty}C(t)e^{-2\pi ift}dt=\int_{-\infty}^{\infty}\frac{D}{2a}\frac{2a}{a^2+(2\pi f)^2}=\frac{D}{a^2+(2\pi f)}$$
となる。このような形のものを、ローレンツスペクトルと呼ぶ。
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