ラプラス変換を用いて、偏微分方程式を解くことができる。
常微分方程式の解法については以下の記事を参照
[mathjax] ラプラス変換の細かい点は置いておいて、微分方程式をラプラス変換で解く方法を考えていく。 ラプラス変換の定義 ラプラス変換は、時間の関数(t)を別の関数(s)へと変換する手法である。 t≧0で定義された[…]
$$\frac{\partial}{\partial x}y(x,t)=2\frac{\partial}{\partial t}y(x,t)+y(x,t)$$
を解け。ただし、\(y(x,t)\)は有界であるとし、\(y(x,0)=2e^{-3x}\)とする。
ポイント:ラプラス変換は\(t\)について行うため、\(x\)は定数として扱う。
(解)
\(y(x,t)\)のラプラス変換を、\(Y(x,s)\)と書くことにする。
両辺を\(t\)についてラプラス変換して
$$\mathcal{L}\left[\frac{\partial}{\partial x}y(x,y)\right]=2\mathcal{L}\left[\frac{\partial}{\partial t}y(x,y)\right]+\mathcal{L}[y(x,t)]$$
導関数のラプラス変換の式を適用すると
$$\frac{\partial}{\partial x}Y(x,s)=2\left(sY(x,s)-y(x,0)\right)+Y(x,s)$$
$$∴\frac{d}{dx}Y(x,s)=(2s+1)Y(x,s)-4e^{-3x}$$
これは\(x\)についての1階線形微分方程式になっている。これを解くと
$$Y(x,s)=\frac{2e^{-3x}}{s+2}+Ce^{(2s+1)x} (C:積分定数)$$
ここで、\(y(x, t)\)は有界なので\(Y(x, s)\)も有界である。よって、\(x\to\infty\)で\(C=0\)でなくてはならない。
$$Y(x,s)=\frac{2e^{-3x}}{s+2}$$
逆ラプラス変換して、解を得る。
\[
\begin{align*}
y(x,t)&=\mathcal{L}^{-1}\left[\frac{2e^{-3x}}{s+2}\right] \\
&=2e^{-3x}\mathcal{L}^{-1}\left[\frac{1}{s+2}\right] \\
&=2e^{-3x}e^{-2t}
\end{align*}
\]
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