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連立微分方程式の解法-微分演算子とラプラス変換

連立微分方程式の解法

先に学んだ微分演算子法ラプラス変換により、連立微分方程式を解くことができる。

その例を見てみよう。以下では、\(x=x(t)、y=y(t)\)とする。

微分演算子による解法

\[
\begin{cases}
x’+2x+y=e^t &・・・① \\
x’+6x+y’=0 &・・・②
\end{cases}を解け。
\]

(解)

微分演算子Dを用いて、与式を書き換える。

\[
\begin{cases}
(D+2)[x]+y=e^t &・・・①’ \\
(D+6)[x]+D[y]=0 &・・・②’
\end{cases}
\]

①’×D-②’より、D[y]を消去して

$$\{D^2+2D-(D+6)\}[x]=D[e^t]$$

$$(D+3)(D-2)[x]=D[e^t]$$

よって、\(x\)について特殊解を\(x_0\)とかくことにすると

\[
\begin{align*}
x_0&=\frac{D[e^t]}{(D+3)(D-2)} \\
&=\frac{1}{D+3}\left(\frac{1}{D-2}[e^t]\right) \\
&=-\frac{1}{D+3}[e^t] \\
&=-\frac{1}{4}e^t
\end{align*}
\]

(ここで微分演算子の基本公式を用いた)

また、

$$(D+3)(D-2)[x]=e^t$$

より、右辺=0とした同次方程式の基本解は

$$x=C_1e^{2t}+C_2e^{-3t}$$

なので、元の方程式の一般解は

$$x=C_1e^{2t}+C_2e^{-3t}-\frac{1}{4}e^t$$

である。

これを①式に代入して整理すれば、\(y\)についての一般解を得る。

$$y=-4C_1e^{2t}+C_2e^{-3t}+\frac{7}{4}e^t$$

 

ラプラス変換による解法

初期条件が与えられた場合はラプラス変換を用いる。

\[
\begin{cases}
5x’=2x+6y \\
5y’=6x-7y
\end{cases}を解け。
\]

ただし、\(x(0)=3,y(0)=-1\)とする。

(解)

両辺ラプラス変換して

\[
\begin{cases}
5\mathcal{L}[x’]=2\mathcal{L}[x]+6\mathcal{L}[y] \\
5\mathcal{L}[y’]=6\mathcal{L}[x]-7\mathcal{L}[y] \end{cases}
\]

ここで、L[x]=X(s)=X、L[y]=Y(s)=Yと書くことにする。ラプラス変換の公式から

\[
\begin{cases}
5(sX-x(0))=2X+6Y \\
5(sY-y(0))=6X-7Y
\end{cases}
\]

初期条件を代入して整理すると

\[
\begin{cases}
(5s-2)X-6Y&=15 \\
6X-(5s+7)Y&=5
\end{cases}
\]

連立方程式としてX、Yについて解くと

$$X=\frac{3s+3}{(s-1)(s+2)}=\frac{2}{s-1}+\frac{1}{s+2}$$

$$Y=\frac{-s+4}{(s-1)(s+2)}=\frac{1}{s-1}-\frac{2}{s+2}$$

逆ラプラス変換して、元の方程式の解を得る。

\[
\begin{cases}
x=2e^t+e^{-2t} \\
y=e^t-2e^{-2t}
\end{cases}
\]

 

まとめページ

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