ここでは、MathJax-LaTeXで行列を表示する方法をまとめています。
行列(matrix)
MathJaxで行列を出力する方法は主に2種類あります。
matrix環境
matrix環境を利用すると、簡単に行列を出力することができます。
コマンド | 出力 |
\begin{matrix} a & b \\ c & d \end{matrix} |
\begin{matrix} a & b \\ c & d \end{matrix} |
\begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix} |
\begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix} |
\begin{bmatrix} a & b \\ c & d \end{bmatrix} |
\begin{bmatrix} a & b \\ c & d \end{bmatrix} |
\begin{Bmatrix} a & b \\ c & d \end{Bmatrix} |
\begin{Bmatrix} a & b \\ c & d \end{Bmatrix} |
\begin{vmatrix} a & b \\ c & d \end{vmatrix} |
\begin{vmatrix} a & b \\ c & d \end{vmatrix} |
\begin{Vmatrix} a & b \\ c & d \end{Vmatrix} |
\begin{Vmatrix} a & b \\ c & d \end{Vmatrix} |
matrixの前に付ける文字によって、括弧の形状が変化します。
成分の間には「&」を入力します。改行は「\\」で表します。各成分の配置は中央揃えになります。
\(~\)
で囲えばインライン数式で出力することができます。何もしなければディスプレイ数式になります。
正方行列以外も出力可能です。
\begin{pmatrix} a & b & c\\ d & e & f \end{pmatrix} |
\begin{pmatrix} a & b & c\\ d & e & f \end{pmatrix} |
array環境
array環境を利用すると、より汎用性の高い行列が出力可能です。
コマンド | 出力 |
\( \left( \begin{array}{ccc} a & b & c \\ d & e & f \\ g & h & i \end{array} \right) \) |
\( \left( \begin{array}{ccc} a & b & c \\ d & e & f \\ g & h & i \end{array} \right) \) |
\( \left[ \begin{array}{rrr} 1 & 10 & 100 \\ 10 & 100 & 1 \\ 100 & 1 & 10 \end{array} \right] \) |
\( \left[ \begin{array}{rrr} 1 & 10 & 100 \\ 10 & 100 & 1 \\ 100 & 1 & 10 \end{array} \right] \) |
\( \left( \begin{array}{crl} 1 & 10 & 100 \\ 10 & 100 & 1 \\ 100 & 1 & 10 \end{array} \right) \) |
\( \left( \begin{array}{crl} 1 & 10 & 100 \\ 10 & 100 & 1 \\ 100 & 1 & 10 \end{array} \right) \) |
\left、\rightコマンドで行列の括弧の形状を指定します。
begin{array}の横にある{ccc}の部分は、文字数で行列の列数を、文字の種類で各列の成分の配置を指定しています。
cは中央揃え、rは右揃え、lは左揃えです。各列のすべての成分に適用されます。3つ目の例のように混在させることも可能です。
行列のサンプル
一般のm行n列の行列は、次のように記述します。
\( A = a_{ij} = \left( \begin{array}{cccc} a_{11} & a_{12} & \ldots & a_{1n} \\ a_{21} & a_{22} & \ldots & a_{2n} \\ \vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\ a_{m1} & a_{m2} & \ldots & a_{mn} \end{array} \right) \) |
\( A = a_{ij} = \left( \begin{array}{cccc} a_{11} & a_{12} & \ldots & a_{1n} \\ a_{21} & a_{22} & \ldots & a_{2n} \\ \vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\ a_{m1} & a_{m2} & \ldots & a_{mn} \end{array} \right) \) |
\ldots、\vdots、\ddotsで縦横斜め方向の省略記号(…)を表します。
行列中に直線を引いて区切ることもできます。
\( \left( \begin{array}{c|cc} a & b & c \\ \hline d & e & f \\ g & h & i \end{array} \right) \) |
\( \left( \begin{array}{c|cc} a & b & c \\ \hline d & e & f \\ g & h & i \end{array} \right) \) |
縦線を出力したい場所に{ }中に「|」を入力します。\hlineで横線を引くことができます。
対角行列は次のように記述することができます。
\( \begin{pmatrix} \lambda_1 & & & & \\ & \lambda_2 & & \Huge{0} & \\ & & \ddots & & \\ & \Huge{0} & & \lambda_{n-1} & \\ & & & & \lambda_n \end{pmatrix} \) |
\( \begin{pmatrix} \lambda_1 & & & & \\ & \lambda_2 & & \Huge{0} & \\ & & \ddots & & \\ & \Huge{0} & & \lambda_{n-1} & \\ & & & & \lambda_n \end{pmatrix} \) |
「&」の間を空白にしておけば、成分は出力されず空白のままになります。
転置行列(transposed matrix)
転置記号の出力方法については、ベクトルのページをご参照ください。
行列の転置のサンプルを載せておきます。
コマンド | 出力 |
\( \left(\begin{array}{ccc} a & b & c\\ d & e & f \end{array}\right)^{\mathrm{T}} =\left(\begin{array}{cc} a & d \\ b & e \\ c & f \end{array}\right) \) |
\( \left(\begin{array}{ccc} a & b & c\\ d & e & f \end{array}\right)^{\mathrm{T}} =\left(\begin{array}{cc} a & d \\ b & e \\ c & f \end{array}\right) \) |
行列の特性量
行列を特徴付ける諸量の表し方をまとめます。
対角和(trace)
対角和(トレース)を表す「tr」は、\mathrmコマンドでローマン体として出力します。
\( \mathrm{tr} A \) |
\( \mathrm{tr} A \) |
\( \mathrm{tr} \begin{pmatrix} a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ a_{21} & a_{22} & a_{23} \\ a_{31} & a_{32} & a_{33} \end{pmatrix} = a_{11} + a_{22} + a_{33} \) |
\( \mathrm{tr} \begin{pmatrix} a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ a_{21} & a_{22} & a_{23} \\ a_{31} & a_{32} & a_{33} \end{pmatrix} = a_{11} + a_{22} + a_{33} \) |
トレースは正方行列に対してのみ定義されます。
行列式(determinant)
行列式を表す「det」は、\mathrmコマンドでローマン体として出力します。
\( \mathrm{det} \) |
\( \mathrm{det} \) |
\( \mathrm{det} A = \begin{vmatrix} a & b \\ c & d \end{vmatrix} = ad - bc \) |
\( \mathrm{det} A = \begin{vmatrix} a & b \\ c & d \end{vmatrix} = ad – bc \) |
行列式は正方行列に対してのみ定義されます。
階数(rank)
行列の階数(ランク)は、\mathrmコマンドでローマン体として出力します。
\( \mathrm{rank} A \) |
\( \mathrm{rank} A \) |
次元(dimension)
行列の次元は、\dimコマンドで出力します。
\( \dim A \) |
\( \dim A \) |
MathJaxを使用してわかってきたこと、注意点などを自分用の備忘録も兼ねてまとめていきます。 コマンド例は基本インライン表示にしています。必要に応じてディスプレイ数式モードへの書き換えをしてください。 環境構築[…]