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【完全版】第2種放射線取扱主任者試験に合格!おすすめの勉強方法・テキストを紹介

こんにちは、にんじんです。

令和3年度の第2種放射線取扱主任者試験合格しました。

 

これから第2種放射線取扱主任者試験を受験する方のために

勉強方法、おすすめテキスト、勉強時間などについて紹介します。

第2種放射線取扱主任者試験の概要

試験課目と合格基準

試験課目

放射線取扱主任者試験は、法令・実務・物理・化学・生物の5課目です。

ただし、第1種は物理化学生物が1課目ずつに分かれているのに対し、第2種では配点も少なく一つの試験時間にまとめられています。

科目 試験時間 問題数・配点
法令 75分 五肢択一式30問・60点
実務 75分 五肢択一式10問・20点および多肢択一式2問・40点:60点
物理学
化学
生物学
120分 各課目について
五肢択一式10問・20点および多肢択一式1問・10点:30点

5課目合計で210点です。

なお、2018年試験までは法令・管理技法Ⅰ・管理技法Ⅱの3課目でした。

科目数が増えた分、満遍なく勉強する必要性が増して難易度が上がったと言えそうです。

合格基準

各課目の得点が5割以上、かつ、合計得点が6割以上合格です。

足切りの点数は高くありませんが、どの課目も捨てることができません。

合格率と難易度

原子力安全技術センターより公表されている統計情報を元に推移図を作成しました。

放射線取扱主任者試験 合格率
放射線取扱主任者試験 受験者数

左図が合格率、右図が受験者数の推移です。

合格率はおよそ20~30%程度で、直近は第2種の方が第1種よりも低くなっています。

受験者数は第1種の方が第2種より1000人ほど多くなっていますが、これは第1種の方が取り扱うことのできるRIの範囲がより広く、需要が多いためと考えられます。

 

この資格は、診療放射線技師を目指す学生や放射線装置を取り扱う研究室、社会人などが主な受験者です。

比較的レベルの高い受験者が集まる中での合格率30%なので、試験難易度はやや高めだと考えていいと思います。

スケジュール

試験申し込みから受験、合格発表までのスケジュールをまとめておきます。

令和3年(2021年)スケジュール

  • 5~6月:受験申し込み
  • 7月:受験票到着
  • 8/20(金):試験(第2種)
  • 9/14(火):解答発表
  • 10/25(月):合格発表

第2種試験は、朝から夕方まで一日がかり。

試験から約1か月後に原子力安全技術センターから解答が公表されます。

さらに約1か月後に合格者が官報にて公示されます。(後述)

必要なテキストは2冊

第2種放射線取扱主任者試験用のテキストはいくつか出版されています。

その中でも「初級放射線」「試験問題集」があれば十分です。



初級放射線は600ページにもなる分厚い本です。

第2種試験用のテキストと謳われているだけあって、試験範囲を網羅しています。この本の内容が頭に入れば合格間違いなし。

法令が改正されている場合があるので、古いもので勉強する場合は注意が必要です。

購入する場合は必ず最新版(2023年3月時点:第13版)を選んでください。

 

初級放射線にも練習問題が載っていますが、それだけではやや不足。

資格試験では過去問演習が重要です。

原子力安全技術センターのサイトには過去10年分以上の問題・解答が公開されていますが、解説がありません。

日本アイソトープ協会のサイトには過去5年分の問題・解答解説が公開されています。

試験問題集には過去10年分の問題と解答解説が載っています。

 

また、テキストではありませんが、日本アイソトープ協会から出ている過去問アプリも便利です。

国家試験「放射線取扱主任者試験(第1種・第2種)」の過去問題を学習できるアプリです。無料で全機能をご利用いただけます。…

勉強時間:2か月で150時間

第2種放射線取扱主任者試験合格のために費やした勉強時間は、約150時間でした。

試験約2か月前から、平日2時間・休日4時間ほど勉強しました。

前半は初級放射線をメインにインプット、後半は過去問演習を繰り返しました。

具体的な勉強方法については後述します。

 

私は工学系なので基礎的な物理や化学の知識はありましたが、生物や放射線に関する知識はほぼゼロからスタートしました。

理系出身であれば、同じか、もっと少ない勉強時間で合格を目指せると思います。

文系だともう少し苦戦するかもしれません。

勉強方法

大まかなスケジュールと勉強内容は以下の通りです。

一例として参考にしてください。

時期 内容
試験2か月前 初級放射線を通読する
この時点では内容を完璧に理解できなくてもOK
試験範囲の全体像を把握し、関連用語に慣れる
~1か月前 初級放射線の重要項目をノートにまとめる
優先順位:法令>生物≧化学≧物理≧実務
本を読むだけでは頭に入りにくいので、手を動かした方がよい
~2週間前 試験問題集で過去問を解く
問題を解くことより、解説を読んで理解することを意識
選択問題を優先
初級放射線で知識の増強
優先順位:実務≧物理≧化学>生物≧法令
~1週間前 過去問演習
多肢択一問題を優先
必要事項の暗記

優先順位:法令≧実務>生物>化学≧物理
法令の数値、各種線源の崩壊形式やエネルギーなど細かい点を丁寧に
~前日 過去問演習
一度は本番同様に時間を計って解いてみるとよい

 

勉強計画は、3段階に分けるのがおすすめです。

  • 前期・・・広く浅く、暗記課目を優先
  • 中期・・・狭く深く、物理化学を優先
  • 後期・・・問題演習と暗記

 

続いて課目ごとの攻略ポイントを整理します。

法令

理系の人間から見ると一番とっつきにくい課目だと思います。

しかし、法令は一番点数が安定しやすく、勉強した分だけ点数が上がるという特徴があります。英語みたいですね。

覚えるべき内容はやや多いものの、出題内容がほぼ決まっているからです。

 

  • 早い段階で一通り勉強を済ませる
  • 試験が近くなってきたら、思い出しながらもう一度勉強する
  • 過去問を繰り返し、出題傾向をつかむ

暗記課目はとにかく早めに勉強しておくことが肝要です。思い出すという作業をあえて行うことで、記憶の定着を図ります。

実務

覚えるべき内容が多く、計算の負荷が高い課目です。

実際に放射線に関わる業務をしていないと、イメージがつきにくく理解しにくい内容が多くて苦労します。

実務の問題を解く上では、他の課目の知識が活きてくることが多いので、勉強の優先順位はやや低めです。

 

  • 他課目の知識が活かせるため、勉強は後回し
  • 試験が近くなってきたら、実務特有の内容を暗記
  • 問題を解くときは計算を丁寧に

小数を含む煩雑な計算に慣れておかないと、本番で焦ってミスをしてしまうかもしれません。

物理学

覚えるべき内容は少ないものの、物理慣れしていないと大変かもしれません。

少ない公式を覚えて、それを使う力が問われます。

多肢択一問題に面食らう可能性が高い課目でもあります。

 

  • 暗記よりも理解することに力を入れる
  • 基礎問題を落とさないように
  • 煩雑な計算問題は後回し

一見難しそうな問題でも丁寧に誘導が付いている場合があるので、よく読み、数式に変換すると解けることがあります。

化学

覚えるべき内容はやや多いものの、素直な問題が多く勉強しやすい課目です。

優先順位は高くも低くもなく、継続して暗記しておくと後々役に立ちます。

対数の計算には慣れておきましょう。

 

  • 主な放射性核種と崩壊形式、エネルギー、半減期などはセットで覚える
  • 計算は難しくないので手順を理解する
  • 知識が増えると消去法で解ける問題が増えてくる

他の課目よりも登場する核種が多いので、化学をしっかりおさえておくと後々楽です。

生物学

基本的に知識問題で、物理・化学に比べて点数が安定しやすい課目です。

生物学を学んだことがないと、とっつきにくい分だけ苦労します。

覚えるべき内容は多くありませんが、ひっかけのような問題があるのでやや注意が必要です。

 

  • 基本的に暗記
  • 数字と現象は必ずセットで覚える
  • 法令と同じ勉強方法

計算問題がないので、問題を解くのにあまり時間がかかりません。

本番では一番はじめに解いてしまうといいでしょう。

自己採点結果

試験問題は持ち帰ることができるので、解答が公開されたら自己採点することができます。

2021年度試験の私の点数は以下の通りでした。

法令・・・54/60

実務・・・50/60

物理学・・・28/30

化学・・・30/30

生物学・・・30/30

合計・・・192/210=91%

化学と生物学は満点。試験を受けている最中から自信がありました。

少し勉強しすぎたかもしれません(笑)

上で述べたテキストを使ってきちんと勉強すれば、間違いなく合格することができるはずです。

合格発表は官報にて

放射線取扱主任者試験の合格発表は、官報にて行われます。

しかも受験番号だけでなく、何と名前まで掲載されてしまいます。

インターネット版官報のページで、過去30日分まで無料で閲覧できます。

 

珍しい経験だと思い、官報本紙を購入してみました。

官報

目次に「国家試験 令和三年度放射線取扱主任者試験合格者(原子力規制委員会)」と書かれています。

該当のページをめくると、受験番号と名前がずらり。

官報 第二種放射線取扱主任者

しっかりと自分の名前が載っていることを確認しました。

はじめての官報は記念品として保管しておこうと思います。

合格証が届きました

合格発表から数日、合格証が郵送されてきました。

第二種放射線取扱主任者 合格証

シンプルな合格証ですね。

なお、放射線取扱主任者は試験に合格しただけでは免状を手にすることができません。

試験はこの後の講習を受講する権利を得るだけです。

講習費用は10万円以上もするので、自費は厳しいですね・・・

 

以上、第2種放射線取扱主任者試験の記録でした。

次は何の資格を目指そうかな。

第二種放射線取扱主任者 アイキャッチ
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