京都市在住のにんじんです。
第57回 京の冬の旅にて、東本願寺で開催された「僧侶がご案内する特別拝観」に参加してきました!
実際にお寺で修行されている方が直接案内してくださるという特別感にワクワク。
この記事では
- 東本願寺について
- 京の冬の旅 特別拝観の様子
- 御朱印・記念スタンプの情報
について紹介していきます。ぜひご覧ください。
真宗本廟(東本願寺)
親鸞聖人を宗祖とする真宗大谷派(浄土真宗の宗派のひとつ)の本山。
正式名称を真宗本廟(しんしゅうほんびょう)といい、一般には『東本願寺』の名で知られています。
親鸞聖人の死後、娘や弟子たちが廟堂を建てて安置したことが始まり。
現在の東本願寺は、徳川家康から土地を寄進されて1602年に創建されました。
江戸時代に4度もの火災に見舞われるも、全国の門徒の尽力により再建され今に至っています。
京の冬の旅 東本願寺
今回東本願寺を訪れたきっかけは「第57回 京の冬の旅(2023年1月7日~3月19日)」です。
冬の京都で、この機会にしか見ることができない文化財等が鑑賞できる特別なイベント。
東本願寺では40年ぶりとなる「大寝殿・白書院」の特別公開が開催されていました。
僧侶が案内する特別拝観
インターネットからの完全予約制で、僧侶の案内による拝観が行われています。
開催日程 | 1/7(土)~3/11(土)の毎週金曜・土曜 |
時間・定員 | 9:00~/15:30~(所要時間約60分)・各回30名程度 |
料金 | 小学生以上2,000円/人 |
※予約がいっぱいの場合でも、通常の拝観は可能。その場合は800円/人となります。
予約方法
リンク先ページ下部の予約フォームから予約することができます。
キャンセル等により空きが出ている日程も見受けられるので、興味があればご確認ください。
特別拝観の様子
当日はあいにくの空模様。
開始10分前までに集合とのことで、余裕をもって向かいました。
集合・受付
御影堂門から入って右手側、参拝接待所の前に受付の白いテントが張られていました。
予約完了時に受け取ったメールを見せて、受付へ。
こちらで特別拝観料2,000円×2人分を納めました。
参加証と解説のためのイヤホンマイクを受け取り、時間まで待機。
9:00~の回でしたが、満員だけあって続々と参加者が集まってきました。
やはりというか、年齢層は高め。私たちが最年少だったかも。
時間になり、僧侶の方の案内にしたがって拝観スタート!
道中、東本願寺の成り立ちを聞きながら、まず一番奥にある阿弥陀堂へ。
阿弥陀堂
- 重要文化財
- 1895(明治28)年に再建
- 正面52m、側面47m、高さ29m
御本尊である阿弥陀如来を安置するお堂です。
阿弥陀堂の特徴は、なんといっても豪華絢爛な金色の内陣。圧倒されました。
柱、梁、天井に至るまで装飾が施されており、御浄土の華やかな世界を表現しているのだそうです。
御本尊の左右には法然上人をはじめとする七高僧、聖徳太子の御影が飾られていました。
続いて御影堂へ。
御影堂
- 重要文化財
- 1895(明治28)年に再建
- 正面76m、側面58m、高さ38m
宗祖である親鸞聖人の御真影を安置するお堂です。
世界最大級の木造建築物で、眼前にするとスケールの大きさにただただ驚くばかり。
大きさで比較するなら、奈良の東大寺大仏殿。
あちらは正面58m、側面51m、高さ49mということで、高さは一歩譲るものの床面積は東本願寺御影堂の方が大きいのです。
そんな御影堂内には、親鸞聖人の御真影の左右に東本願寺の歴代住職の御影や、阿弥陀如来の働きを表す十字名号九字名号が掛けられていました。
阿弥陀堂とは雰囲気が違い、荘厳な木造本堂。
井波彫刻が施された堂内は見どころたくさん。何と看板も彫り物でした。
堂内では御影堂の大きな梁「大虹梁(だいこうりょう)」に関する伝説を聞かせていただきました。
本願寺の再建に用いられた大きな木材の中に、新潟県の阿賀野川から引き上げてきたものがある。
この川の底には何百年もの昔から大きな木が埋まっている、という逸話があった。
引き上げられた木は長く水底にあったため腐食していたが、当時の大工たちにより修復され現在お堂の梁として使用されている。
専門家の調査によると、この木が切り出されたのは約1400年前と推定された。
梁の一本まで、千年以上にも及ぶ長い歴史が刻まれている・・・とても贅沢な気持ちになりました。
次いで大寝殿へ向かう途中、木材を運び、持ち上げるために用いられた「大橇」や「毛綱」の展示を鑑賞。
高強度を得るために毛髪が編み込まれた綱、間近でじっくりと見てみてほしいです。
ギャラリーを抜け、京の冬の旅エリアへ。
いよいよここから、特別公開の諸殿ひとつめ、大寝殿(おおしんでん)です。
大寝殿
1867年に建立された、東本願寺で最も古い建物。
蛤御門の変で両堂が焼失した中で、儀式法要の場としても使用できる造りになっているそうです。
建物は古いですが、足元は床暖房(笑)
映画「燃えよ剣」「関ケ原」の撮影の一部が行われたとか。
大寝殿の見どころは、3枚の障壁画。
戦前の京都画壇を代表する日本画家・竹内栖鳳(たけうちせいほう)の作品。
特に動物画で有名な方だそうです。”動物を描けば、その匂いまで描くといわれた達人であった。”(Wikipwdiaより)
写真OK!とのことだったので、参加者一同写真を撮りまくりました。
風竹野雀(ふうちくやじゃく)
上段の間向かって右側の絵。1枚目。
強い風に吹かれ、大きく枝がしなっている竹林の中を二羽の雀が飛翔しながら争っている姿が描かれ、現世の闘争と煩悩が表現されている
(説明書きより)
解説によると、激しい風が煩悩を、それに抗う雀が人間を、竹が真実であると伝えられている、と。
すごい表情しながら飛ぶ雀さん。かわいい。
歓喜(かんぎ)
向かって真ん中の絵。2枚目。
全面ガラス張りで保護されており、写真は撮りにくい。
暖かなひだまりで餌を啄む雀が色彩豊かに描かれ、遇法(ぐほう)の喜びが表現されている
(説明書きより)
解説によると、仏法に出会った喜びを表している、と。
一枚目とは雰囲気ががらっと変わっています。
煩悩の嵐が吹き荒れる俗世から解脱して、心穏やかに生きられることへの喜びを感じました。
コチラの絵、上の写真の中に一部色が変わっている部分があります。
そこに二羽いたはずの雀が、喜びのあまり飛び去った、もとい切り取られて盗まれてしまったそうで・・・
防犯のためガラス張りになっているとのことでした。
古柳眠鷺(こりゅうみんろ)
向かって左側の絵。3枚目。
雪景色に生い立つ柳の古木の上で静かに休む白鷺の姿が、風竹野雀の動態表現に対して静態表現で描かれている。今にも折れてしまいそうな柳の枝先に白鷺が休んでいる姿を通して浄土の寂静が表現されている
(説明書きより)
解説によると、仏法に出会った後の穏やかさを顕している、と。
心地よい静けさを感じる一枚でした。
大寝殿の3枚の障壁画は、「仏法に出会う前」「仏法に出会ったとき」「仏法に出会った後」を描いた三部作になっているそうです。
ツアー後も戻ってくることができるということで、鑑賞もそこそこに最後の白書院へ移動。
ぞろぞろ。
白書院への道中もすごく素敵な雰囲気!
白書院
(人が居ないタイミングを見計らって撮影できたお気に入りの一枚です。)
1911年の「宗祖親鸞聖人650回御遠忌」に際して再建。
本格的な書院造となっており、奥の部屋に武者隠しもありました。
上の写真で額に飾られている「国豊民安(こくぶみんあん)」は載仁親王(ことひと)親王による書。
こちらはお経の一説にある言葉だそうです。
国豊民安 兵戈無用:仏様が各地をまわってその教えが広まれば、兵士や武器は不要になる という教え
藤の絵が至る所に描かれています。
一説によると、親鸞聖人が藤原の出とされているため、とのこと。
天井を見上げても見どころが。
天井の装飾に部屋の格式が表れるという解説がありました。
こちらは一番奥の部屋の天井。折上小組格天井といいます。
細かい格子組に加えて、曲線を描いているのが格式高いそうです。
入り口のある部屋の天井などは、大きな格子だけのシンプルな構造となっていました。
参考・・・日本建築の天井と床のデザイン:美術鑑賞用語のおはなし
鶴の掛け軸は狩野親信によるもの。
京の冬の旅のために保存状態のよいものを準備したとのことでした。縁起物。
能舞台
白書院の正面に能舞台がありました。
当時、観阿弥・世阿弥により盛んであった能が実際に行われたそうです。
直近ではT.M.Revolutionの西川さんが利用したらしい。
今年、歴史的文化財「東本願寺能舞台」で開催された、西川貴教×オーケストラ公演が配信されることが決定した。歴史的……
以上、白書院にて僧侶案内の特別拝観は終了。
その後ギャラリー受付まで戻り、再入場用の参加証と参拝記念品等を受け取りました。
案内・解説いただきありがとうございました!
そのほか境内の様子
今回のツアーとは関係なく、東本願寺のスポットも合わせて見て回りました。
御影堂門
- 重要文化財
- 1911(明治44)年に再建
- 正面21m、側面13m、高さ27m
- 木造の二重門として日本一の高さ
烏丸通沿いにそびえ立つ御影堂門。ものすごい存在感。
上部の扁額に「真宗本廟」と掲げられています。
「すべての衆生が分け隔てなく浄土の教えに触れられるように」との願いから、門に敷居がないという特徴があります。
また、堂内には三尊像(釈迦如来・阿難尊者・弥勒菩薩)が安置されています。
通常非公開ですが、2022年京の冬の旅で特別公開されていたようです。次の機会があればぜひ上ってみたい!
一か月前までに5人以上で予約すれば門の上部に上って参拝できるらしい(東本願寺Walkerに記載あり)
阿弥陀堂門
- 重要文化財
- 1911(明治44)年に落成
- 切妻造・唐破風付の四脚門形式
御影堂門の南に建つ門。京都駅から徒歩で向かうとこちらの門に先に出会います。
ハイカラな外観が目を引きました。
手水屋形
(外観の写真撮り忘れ・・・)
大迫力の竜の銅像に注目!
竜が手水を出している姿はあるあるですが、ここまで全身が造り込まれているものは滅多にお目にかからないのでは?
鐘楼
朝のお勤めの合図、法要などの前に撞かれるそうです。
近くに鐘が置いてありましたが、吊り下げられているものと同じでしょうか?
御朱印・参拝記念スタンプ
御朱印はありません。
確かに、御朱印を集めることが目的になってしまいがちな世の中。
ネット販売・転売とか、参拝してもいないのに朱印だけ手にして何だというのでしょうね。。。
代わりといっては何ですが、参拝記念スタンプがありました。
参拝接待所に「御影堂門」「御影堂」の2種。
こちらは四季に応じて絵柄が変わるようです。今回は冬バージョン。
また、境内をまわるスタンプラリーも実施されていました。
「阿弥陀堂」「御影堂」「ギャラリー」にて。
何とも言えないゆるキャラ(?)
あかほんくん、蓮ちゃん、鸞恩くんという名前らしいです。
台紙に捺してまわると記念品がいただけるので、興味のある方はぜひ。
アクセス
住所 | 〒600-8505 京都府京都市下京区烏丸通七条上る |
開門・閉門時間 | 3月~10月:5:50~17:30 11月~2月:6:20~16:30 |
アクセス | JR京都駅より北に徒歩10分
市営地下鉄烏丸線 五条駅より徒歩5分 市バス烏丸七条・烏丸六条前 |
駐輪場
京都市内の観光は自転車が便利。
東本願寺にも駐輪スペースが用意されていました。
御影堂門の脇です。
烏丸通は何やら工事をしていたので、スピードの出し過ぎには要注意。
まとめ
京の冬の旅「僧侶がご案内する特別拝観」に参加してきました!
初めての東本願寺。こんなに身近にこれほど立派なお寺が・・・
解説していただきながら見て回ることで、建築や障壁画をより一層味わうことができました。
普通に参拝したら見落としてしまうので、贅沢な解説付きイベントは積極的に参加していきたいと思いました。
知らないこともたくさんで勉強になりました。今後どこに行っても天井見上げてしまう(笑)
次回は西本願寺の特別拝観を予約済み!楽しみです。