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金属工学

すべり系とシュミットの法則

金属材料の塑性変形は、転位の運動により原子の位置が動くために生じる。これをすべり変形という。 すべり変形に必要な応力や変形方向、メカニズムを理解するためには、結晶構造に基づいて考える必要がある。 ここでは、すべり変形の基礎を学ぶ。 すべり系 単結晶材を一軸で引張ると、ある面に沿ってある方向にすべりが […]

ミラー指数による立方晶・六方晶における面と方向の表し方

前回の記事では結晶の基本構造について学んだ。 金属材料の変形を結晶の観点から理解するために、もうひとつ準備をしておきたい。 それは、結晶中の面や方向を表記する方法である。   結晶は同じ構造が無数に並んでいるため、通常の固定座標を適用するのは不便である。そこで用いられるのが、ミラー指数と呼 […]

結晶の分類-結晶系とブラベー格子

金属は結晶構造を有しており、金属材料のミクロな変形挙動を理解するためには結晶について学んでおく必要がある。 この記事では、一般の結晶に関する用語や結晶の分類方法について紹介する。 結晶とは 物質を構成する原子が、あるパターンをもって規則正しく配列しているような固体を結晶(crystal)と呼ぶ。 結 […]

円柱材の軸対称塑性加工の解析

前回はブロック材の加工解析を行った。   今回は、丸棒や円管といった軸対称な塑性変形を考える。軸対称加工における主応力の方向は、半径方向・接線方向・軸方向になる。 ここでは、円柱の圧縮加工の解析を行う。 円柱の圧縮加工 円柱形状の材料を平行工具で圧縮する場合を考える。材料は剛塑性体、工具は […]

ブロック材の圧縮加工の解析

これまでに学んできた塑性加工の式を用いて、材料の圧縮加工について解析してみよう。   材料の変形領域を平面または球面に沿う薄い板状の要素に分割し、この薄板に作用する応力を主応力と仮定して解析を行う。 このような手法をスラブ法といい、塑性加工の近似解を導くのに用いられる。 ここでは、直方体を […]

レービー・ミーゼスの式と相当ひずみ増分

塑性加工は一般に大変形を取り扱い、変形履歴や形状変化の影響を考慮する必要がある。 そのために、全ひずみではなくある瞬間のひずみ増分をその時の応力と関係づける手法が用いられる。これをひずみ増分理論(incremental strain theory)という。   塑性変形をする物体の応力とひ […]

ミーゼス・トレスカの降伏条件と降伏曲面

金属材料に力を加えていくと、初めに弾性変形した後、ある応力で塑性変形が開始する。 これを降伏(yielding)といい、このときの応力を降伏応力(yield stress)と呼んだ。一軸試験で得られる応力ひずみ線図を用いた解説は別記事を参照。 この記事では、材料が降伏しているかどうかを判定する方法に […]

静水圧応力・偏差応力と不変量

物体に働く応力は「体積変化」のみに寄与する成分と「形状変化」のみに寄与する成分にわけることができ、前者を静水圧応力、後者を偏差応力という。 塑性変形においては静水圧の影響は無視できると考えられるため、偏差応力を利用して理論が展開される。 この記事は、静水圧応力および偏差応力の定義と考え方を学び、偏差 […]

ひずみ‐変位関係式の図解とひずみテンソル

この記事では、変位とひずみの関係式を導出する。 垂直ひずみ、せん断ひずみの定義については既に別の記事で述べた。 ここでは、面素の変形に基づいて各ひずみ成分の式を求め、ひずみテンソルを定義する。工学的せん断ひずみとせん断ひずみの違いに特に注意してほしい。   ひずみ-変位関係式 簡単のため、 […]

応力テンソルの定義と物理的意味を図解

この記事では、応力の表し方について解説する。 垂直応力、せん断応力についての簡単な説明は別の記事で既に述べたが、今回はより一般化した応力ベクトル・応力テンソルを取り扱う。 応力やひずみは二階テンソルで表され、塑性力学や有限要素法などの応用分野ではテンソルとして扱う必要がある。ここでその概念を理解して […]