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音速とマッハ数に関する基礎式

音速

一次元の波動方程式は次式で与えられる。

$$\frac{\partial^2 u}{\partial t^2}=c^2\frac{\partial^2 u}{\partial x^2}$$

この方程式の係数\(c\)は音速であり、次式で定義される。

$$c^2=\frac{dp}{d\rho}$$

 

断熱過程においては、

$$p\rho^{-\gamma}=C(一定)$$

より、自然対数をとると

$$\ln p=\gamma\ln\rho+\ln C$$

両辺微分して

$$\frac{dp}{p}=\gamma\frac{d\rho}{\rho}$$

$$\frac{dp}{d\rho}=\gamma\frac{p}{\rho}$$

したがって、音速を次のように表すことができる。

$$c^2=\gamma\frac{p}{\rho}=\gamma RT$$

$$c=\sqrt{\gamma RT}$$

 

マッハ数

気流速度を\(u\)、音速を\(c\)とするとき、マッハ数は次で定義される。

$$M=\frac{u}{c}$$

マッハ数は、流速が音速に対してどれだけ早いかを表す指標であり、マッハ数によって流れの様子を大まかに分類することができる。

\[
\begin{cases}
M<0.3 &・・・非圧縮流 \\
M<1 & ・・・亜音速流 (一般に0.3<M<0.8程度)\\
M=1 &・・・音速流(遷音速流とも)  \\
M>1 &・・・超音速流(一般に1.2<M<5程度)
\end{cases}
\]

 

断面変化とマッハ数

特殊な断面形状をもつノズルを使うことで、超音速流を得ることができる。

ここでは、断面変化とマッハ数の関係について考えていく。

 

断面積\(A(x)\)の管を流れる一次元定常流の連続方程式(参照)より、

$$\frac{d\rho}{\rho}+\frac{du}{u}+\frac{dA}{A}=0$$

また、オイラーの運動方程式は、1次元では\(v=0\)なので

$$udu+\frac{dp}{\rho}=0$$

よって、

$$udu=-\frac{dp}{\rho}=-\frac{d\rho}{\rho}・\frac{dp}{d\rho}=-\frac{d\rho}{\rho}・c^2$$
$$\frac{du}{u}=-\frac{d\rho}{\rho}・\frac{c^2}{u^2}=-\frac{1}{M^2}・\frac{d\rho}{\rho}=\frac{1}{M^2}\left(\frac{du}{u}+\frac{dA}{A}\right)$$

整理して

$$(1-M^2)\frac{du}{u}+\frac{dA}{A}=0$$
を得る。この式は、圧縮性流れにおいて成立する。

 

さて、この式から断面とマッハ数、流速の関係を考察する。

先の式を少し変形して

$$\frac{du}{u}=-\frac{1}{1-M^2}・\frac{dA}{A}$$

より、

\[
\begin{cases}
M<1のとき、A\to小でu\to大 \\
M>1のとき、A\to大でu\to大
\end{cases}
\]

となることがわかる。

\(M\lt 1\)の状態では、断面積が小さくなるほど流速が上がる。断面積が最小となる部分(スロート)で\(M=1\)となる流れを作ることができれば、その後断面積を広げることで超音速流を得ることができる。

そのような、砂時計のような形状の管をラバールノズルといい、タービンやロケットエンジンなどに用いられている。

 

まとめページ

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