不定形の極限①コーシーの平均値の定理の証明【理工数学】

高校数学の範囲で極限を計算しようとすると、0/0などの形になってしまいうまく計算できないことがありました。こういう場合には、式変形などを駆使し工夫して計算する必要がありますが、慣れるまでは結構難しいと思います。(例えば、sinx/xの極限値 ~はさみうちの原理による計算方法を解説【理工数学】)

実は、極限値を求めるときに非常に簡単な方法があります。

この記事では、その方法を証明するための準備をしていきたいと思います。

不定形とは

次のような極限のことを、不定形(indeterminate form)と呼びます。

$$x\to aのときにf(x)\to 0,g(x)\to 0であるとき、\frac{f(x)}{g(x)}は形式的に\frac{0}{0}の形になる$$

一般に、形式的に

$$\infty -\infty、0×\infty、\frac{0}{0}、\frac{\infty}{\infty}、1^{\infty}、\infty ^0$$

などの形になる極限を、不定形と呼ぶ。

 

不定形の極限とは、解が不定という意味ではなく、見かけ上値がわからない極限のことを言います。

例えば、

$$\lim_{x\to 1} \frac{x^2-1}{x-1} … \frac{0}{0}の形になっている$$

$$\lim_{x\to \infty} \frac{x^3+x+1}{4x^3-1} … \frac{\infty}{\infty}の形になっている$$

も不定形になります。一方で、

$$\lim_{x\to 1} \frac{x^2+1}{x+1} … そのままで\frac{1^2+1}{1+1}=1$$

$$\lim_{x\to \infty}\sqrt{x} e^{x} … \infty×\inftyなので、\inftyとなる$$

のような極限は不定形ではありません。

コーシーの平均値の定理

不定形の極限値を、微分法を使って求める方法を考えていきます。

$$f(x)、g(x)は[a,b]で連続かつ(a,b)で微分可能とする。$$

$$(a,b)においてg'(x)\not =0とするとき、$$

$$\frac{f(b)-f(a)}{g(b)-g(a)}=\frac{f'(c)}{g'(c)}$$

を満たすc (a<c<b)が存在する

 

証明にはロルの定理を用います。

(証明)

$$\phi (x)=(g(b)-g(a))(f(x)-f(a))-(f(b)-f(a))(g(x)-g(a))$$

$$とおくと、\phi (x)はロルの定理の仮定を満たす。よって、\phi ‘(c)=0を満たすc (a<c<b)が存在する$$

$$\phi ‘(c)=(g(b)-g(a))f'(c)-(f(b)-f(a))g'(c)=0より、\frac{f(b)-f(a)}{g(b)-g(a)}=\frac{f'(c)}{g'(c)}$$

(証明終)

 

さて、次回はロピタルの定理を示していきます。

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